

えーー!極端じゃないの?と思われるかもしれない。だが、本当の話だ。
なんと、Sさんは「家づくりが、僕の人生を変えました。」と話してくれた。

三重県伊賀上野に住んでいたSさん。
奥様と息子さん、そしておなかの中に二人目の子供さんとの暮らし。
そろそろご両親の近くである四日市に戻ろうと、ご実家の近くに土地を購入した。
そしてすでに、新築工事の依頼先は決まっていた。
それは、弟さんが10代のころからお世話になっているという、四日市市の室山町にある有限会社明日桧さんだ。
そう、弟さんは大工、それも20代という若さで、すでに棟梁となっていた。
「全然、家の知識なんて全くありませんでした。
もちろん、“木の家にしよう!”なんてことも全く思っていませんでした(笑)。」
そう語るSさんが、木の家での生活に惹かれたきっかけは、明日桧の鈴木さんが熱を込めて話す木の家の話と、チルチンびとという雑誌だ。
夫婦で読んでいくうちに、どんどん影響を受けていった。
また、参考になるかと、ハウジングセンターを訪れたが、全く参考にならなかった。
奥様も、「私も、こんな家がいい!って全く考えてなくて(笑)」と笑う。
その先入観の無さが、かえって良かったのかもしれない。素直に自分たちが、心惹かれる家に向かって進んだ。
プランが決まり、実際に工事が始まると、自分から頼んでいろいろ手伝わせてもらった。
毎週末は伊賀上野から四日市に通い続けた。
子供を一人連れ、おなかの中にも・・・という状況に「大変じゃなかったですか?」と聞いてしまった。
「はい、大変でした・・・、でもすごく楽しかった!」とお二人。
工場(こうば)での木の刻みから始まり、現場では奥様も手伝って木の塗装。
「この部分の壁も自分たちでしたんですよ!」と指差した先には、土が表しになった竹の格子が見える欄間が漆喰の壁の中でひときわ存在感を放っている。
「やはり、僕も弟と同じで小さい頃から、自分の手でモノを作るのが好きだったんですよ(笑)。」と、その時思い出したかのように話してくれた。
それを裏付けるように、建築後、毎年棚を作ったり、げた箱を作ったり、少しずつご自分の手で必要なものを作っている。
「木の家がいい!と思っても、予算の都合もあってね、その理想は1階のLDKに集中させたの!2階はクロスなのよ(笑)。」という部屋の真ん中に大きな暖炉がある。
これだけはつけたかったという。火が入ると離れていても熱を感じるほど暖かい。しかし、薪の確保が難しいというのが現状らしい。
また、完成時には仕上げなかったという土壁は、最近、漆喰を塗ってもらった。
そうして、写真のように杉板の床には傷が付いている。
だが、Sさんは言う。
「これがいいんですよ!味がでる家が良かったんで!だから、何よりここが一番落ち着く!仕事から帰ってきて、ここに座ると、ほんとこの家で良かったと思うんです。」とご主人。
うなずく奥様。
だが、奥様は一つだけ後悔があるという。
それは、玄関とリビングとの間の扉を付けてもらえなかったこと。交渉はしたらしいが・・・・。
来客があると家の中が、全てが見えてしまうのだ(苦笑)。だが、その解放感も子供たちにとっては好都合らしい。

「ここ、なぜか集まりやすいらしく、毎日、年齢問わず近所の子供たちが集まってきて、託児所状態なんです・・(笑)」と奥様。
確かにインタビュー中も、カーテンを開け放した窓から中の様子を見てか、近所の子供さんがやってきた。